多発性関節炎を発症した愛犬に食べさせたいドッグフード選びのポイントは?

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この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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はじめに

「多発性関節炎」という言葉を聞いたことがありますか?多発性関節炎に成った場合、副作用のある投薬治療が必要になり、犬の体にかかる負担も大きくなります。そこで、今回はそんな犬に必要な栄養素を紹介しながら、どんなドッグフードを選ぶといいかを考えていきます。

犬の「多発性関節炎」の症状とは

多発性関節炎とは、複数の関節に同時に関節炎が見られるもののことで、足首や手首、膝など関節に症状が出ることが多いようです。

具体的な症状としては、

  • 熱が出る
  • 脚を痛がって歩きづらそうな様子がある
  • 関節を動かすと嫌がる
  • 前足を地面につけようとすると嫌がる
  • 抱っこを嫌がる
  • 元気や食欲がなくなる

など、幾つかの症状があります。しかし、中には関節を痛がらない場合もあり、その場合は多発性関節炎の発見が遅れてしまうので注意が必要です。

多発性関節炎の治療について

多発性関節炎の明確な原因はわかっておらず、小型犬に多く症例があるものの、どの犬のも起こりうるものとして知っておくと良いでしょう。

多発性関節炎は免疫システムの異常によって起こるとされています。
本来は自分を守るはずの免疫システムが、なんらかの原因で狂い、自分の体を攻撃し始めてしまうのです。
そのため、治療法として、「自分の体を攻撃している免疫システムを抑えること」が必要になります。そのためには「副腎皮質ステロイド剤」などを投薬し、経過を観察するのが一般的です。ステロイド剤は人間にも使われることがあるため、耳にしたことがある方も多いかもしれません。ステロイド剤は副作用が起きやすいことでも有名なため、その投薬量については獣医師の先生の診断を受けながら慎重に決めていく必要があります。

多発性関節炎の犬に与えたいドッグフードの選び方

ステロイド剤を使っての治療は犬にとっても負担の大きなものです。
毎日の食事は犬の体を作る上で重要な栄養源となるので、食事の内容や質を見直してあげるとよいでしょう。

具体的に、関節の炎症に効果のある栄養素を紹介します。

【オメガ3脂肪酸】
関節の炎症を引き起こす免疫系を抑制することで、関節への負担を減らすことができます。

【オメガ6脂肪酸】
関節炎の炎症を進行させる物質の発生を抑制します。

【硫黄】
骨や軟骨、結合組織の修復に必要なミネラルです。

以上の成分に着目してドッグフードを選んであげると良いでしょう。

また、ドッグフードそのものの原材料も同時に確認し、最低限の添加物しか使わず、品質の高い原材料から成っているドッグフードを選んであげることが大切です。
きちんと愛犬の血となり肉となる、品質の良いドッグフードを選ぶことが重要です。

最後に

多発性関節炎をはじめとする関節炎は、早期発見・早期治療がとても重要です。犬は体の異常があっても口で伝えることはできません。日々の愛犬の様子をきちんと見て、変化があればすぐに気づいてあげられるようにしましょう。

また、ステロイド剤による治療は副作用が伴います。多発性関節炎の症状かと思ったら薬の副作用で苦しんでいる、ということもありますので、投薬が始まってからはより一層愛犬の様子を観察することが大切です。

今はまだ元気な犬もいつ多発性関節炎になるかわかりません。毎日の食事で体に良いドッグフード、関節によいドッグフードを食べておくことで、多発性関節炎の発生を未然に防ぐことができる犬もいるでしょう。すでに多発性関節炎になっている犬もまだなっていない犬も、一度ドッグフードの内容を確認してみてください。