犬の血便どうしたらいい?原因と症状を詳しく知りたい!

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この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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犬の血便 原因と症状って?

ある日愛犬が血便を出したら・・・慌てない飼い主さんはいないと思います。血便の原因はさまざまですが、中には深刻な病気が隠れている場合もあります。いざという時落ち着いて対処できるように、原因・症状について知っておきましょう。

犬の血便の主な原因と症状

【下痢をしている】

下痢で肛門周辺の皮膚がただれて傷つき、便に血が付くことがあります。この場合はあまり心配する必要はありません。しかし、内臓から出血をしているなど深刻な状態も考えられます。 肝臓病の他、食道・胃・大腸などで出血が起きていれば血便として出てくる場合があります。ぐったりしているなど著しく全身状態が悪い場合は、早急に受診してください。

【便秘をしている】

腸の動きが悪くなると便秘になってしまうことがあります。腸内に長くとどまった便は硬くなり、排便の際肛門周辺が切れてしまい便に血が付くことがあります。わかりやすく言うと「痔」です。血の色は比較的鮮やかです。様子が安定しているようなら緊急ではありません。食事内容を見直して水分をしっかり摂るよう心がけてみてください。散歩や運動量が不足していないかも見直してみてくださいね。

【内臓から出血している】

腫瘍やポリープなどから出血していることがあります。また、誤飲をして飲み込んでしまったもので内臓が傷ついて出血していることもあります。便の外側に鮮血が見られる場合は、肛門に近い「大腸の後半から肛門までの間」からの出血。便の外側・内側に鮮血が見られるなら「小腸・大腸前半部分」からの出血が考えられます。またネバネバした黒っぽい便(タール状便)の場合は「口腔内・気管・肺・胃潰瘍や胃がん」からの出血など、さらに深刻で緊急を要する可能性があります。出血が多い場合はできるだけ早めに受診してください。

【肛門腺付近から出血している】

愛犬の肛門腺絞りをしていますか?お尻を床に擦り付けるような仕草をしていませんか?分泌物が溜まったままだと、まれに腐敗して化膿してしまうことがあります。肛門腺絞りが難しいと思われたら、動物病院やペットショップへお願いしましょう。

【感染病・寄生虫がいる】

犬が集まるような場所は、感染病の危険性が高くなります。お出掛けやお散歩の際は注意しなくてはいけません。寄生虫に腸壁を傷つけられてしまい、血便が出ることがあります。その場合、便に混じって短く切れた寄生虫が出てくることがあります。鮮血の血便が続いたり嘔吐を伴っているときは、命にかかわる病気にかかっている可能性があります。震えや高熱(39.5℃前後より高い状況が続く)といった症状が出ることもあります。愛犬の様子を見て、できるだけ早く受診してください。

【生理中(女の子)】

避妊手術をしていない場合、高齢犬でも生理は来ます。 年齢とともに出血の量は少なくなりますが、半年に1回程度の周期で1週間から10日ほど続きます。その血液が便につくことがあります。血の色は少し茶色っぽい色をしています。

慌てず受診しましょう。

普段から血便を防ぐためにできることがあります。最近では、乳酸菌が腸内環境を整え歯周病予防にも効果があることが分かっています。また誤飲や誤食をさせないこと・ドッグフードやトッピングなど栄養バランスや質の良い食事内容の工夫など。過度なストレスを与えない穏やかな生活を心がけてあげることも大事です。

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血便が出たら、まずは慌てず冷静に愛犬の様子を観察してください。中には深刻な場合もありますので、症状が続く場合はもちろんのこと一度かかりつけのお医者様に診ていただくのが良いでしょう。受診の際には早い対処をしてもらえるよう、血便を少量病院に持参しましょう。メモや写真があると、お医者様に説明しやすいと思います。日頃から愛犬の便の量・色・硬さ・においなど、チェックする習慣をつけましょう。血便に隠れているかもしれない重い病気やケガなどにも早く気づいてあげられます。

「痛い、つらい」と言えない愛犬のために、飼い主さんは愛情を注ぎながら注意深く健康管理をしてあげてくださいね。