“本当の”犬の必須アミノ酸ってどんな成分?

人間の健康に必要とされている必須アミノ酸。この必須アミノ酸は犬の健康維持にもとても大切であるという事はご存知でしょうか?

ちなみに人間でいうと8-9種類は必要とされていますが、犬の場合は必要な必須アミノ酸は10種類とされていて、これらの必須アミノ酸を毎回の食事で摂取することが望ましいとされています。

では一体アミノ酸というものはどのようなものなのでしょうか?そして、どうやって摂取するのが好ましいのか?

今回はそんなワンちゃんの健康に大切な必須アミノ酸についてお伝えしていきます。

この記事の監修者
この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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犬の必須アミノ酸について知ろう!

アミノ酸には「体内で合成できるもの」と「できないもの」があります。その中で、体内で合成できないもののことを「必須アミノ酸」と呼びます。そのため、必須アミノ酸は「食を通じて」でしかを栄養として摂ることが出来ません。

必須アミノ酸を摂取するには?

必須アミノ酸は何か特定のものを一生懸命摂っても効果はあらわれません。食事と一緒で、全種類をバランスよく摂取することでそれぞれの効果を発揮します。

そのため、すでに売っているフードであれば問題ありませんが、ご自宅で手作りごはんを作るとき特には注意が必要で、どれか1つに注目するのでなく、肉・魚などの動物性たんぱく質や、豆などの植物性たんぱく質も取り入れて、必須アミノ酸が摂取できるようにしてあげるようにすることが大切になってきます。

犬に必要な必須アミノ酸10種類。

  1. イソロイシン
  2. ロイシン
  3. バリン
  4. リジン
  5. メチオニン
  6. フェニルアラニン
  7. スレオニン
  8. トリプトファン
  9. アルギニン
  10. ヒスチジン

以上が犬に必要な10種の必須アミノ酸です。

1,2,3.イソロイシン・ロイシン・バリン

イソロイシン・ロイシン・バリンは、筋肉でたんぱく質の合成を促して、分解を抑制してくれます。筋肉を修復・維持する効果があるのでシニア犬の筋肉減少の予防にも繋がります。不足すると体重減少が起こり、シニア犬になったときに寝たきりになったり自力で日常生活を送ることが難しくなります。

大豆や鰹節、高野豆腐にこれらの成分は多く含まれていますので、積極的にとるようにしたいものです。

4.リジン

リジンは肉や魚に多く含まれている成分で、たんぱく質の合成に大活躍して、傷ついた体の組織を修復したり、成長を促したりする大事な成分となります。リジンが不足してしまうと、成長が促されないので体重が減少していったり、傷ついた体の組織が修復されないため、免疫が低下し、心臓病の様な重篤な病気を発症させてしまったりします。

なお、植物性たんぱく質にはリジンは含まれている量が少なく不足しやすいため、肉や魚などから摂取できるように気をつけてあげましょう。

5.メチオニン

メチオニンは硫黄を含んでいる成分で、別名「含硫アミノ酸」とも呼ばれています。ごまやぶり、カツオなどに含まれています。

被毛の主成分(ケラチン)を含んでおり、美しい被毛を保つためのにとても必要な成分となってきます。メチオニンが減少していくと被毛の艶がなくなったり、脱毛が起きてしまいます。また、尿路結石症などにもなりやすくなるといわれています。

6.フェニルアラニン

フェニルアラニンはわんちゃんの被毛の色のもとである、メラニン色素を合成したり甲状腺ホルモンを合成したりします。あずきや高野豆腐に多く含まれる成分です。このフェニルアラニンが減少してしまうと、被毛の色が薄くなったり、疲れやすくなったり体重の減少などが見られてきます。また、過剰に摂ると高血圧になります。

7.スレオニン

スレオニン(トレオニン)はエネルギーを作り出す際に重要な成分。牛肉、豚肉、ラム肉、魚肉などから摂取することをおすすめします。スレオニンが不足すると、体重減少・拒食を引き起こす原因となります。

8.トリプトファン

トリプトファンは犬の体内で精神を安定させる神経伝達物質のひとつ「セロトニン」を作り出す役割をもちます。また、人間も犬も「セロトニン」が不足すると体重の減少や攻撃的になる、などのトラブルを引き起こすので、体と気持を落ち着けるためにも大切な成分の一つとなります。また、ビタミンB3の合成に使われる成分でもあります。

トリプトファンは牛乳や大豆、チーズなど、乳製品・大豆製品・ナッツ類など様々なたんぱく質に含まれていますので、おやつに無糖のヨーグルトをあげるのもおすすめです。

9.アルギニン

ゴマや納豆に多く含まれているといわれているアルギニン。アルギニンは体内でたんぱく質を分解した時に発生するアンモニアを尿素に分解するなど、毒素を分解してくれる働きをはじめ、アルギニンには血管を拡張させる働きもあるのでむくみにくくなる働きをもちます。

10.ヒスチジン

細胞分裂や、免疫機能、神経機能に関係する重要な栄養素。また、ヒスチジンは細胞分裂をする際にとても重要な要素となりますし、免疫機能や神経機能に関するシステムにとても重要な要素となってきます。ヒスチジンが減少すると体重減少をはじめ拒食などを引き起こしてしまうこともあります。

なお、ヒスチジンは赤身魚に多く含まれ、特にまぐろやカジキ、カツオなどがおすすめです。また、鮮度が悪い魚になるとヒスタミンという物質に分解されている可能性があり、アレルギー性中毒を起こすこともありますので、出来る限り鮮度の高いものを選ぶようにしてあげましょう。

以上、1つずつ解説しましたかそれぞれ必要な理由が分かるかと思います。

ワンちゃんの健康のためにもそれぞれをバランス良く含んで、健康に暮らしていくよう心掛けていきいましょうね。

まとめ

今回は犬に必要な必須アミノ酸や食材、またなぜ必要なのかなど、それぞれ成分に分けて書かせていただきましたがいかがだったでしょうか?

必須アミノ酸は食事からしか摂取することができませんので、魚・肉・卵・豆・豆製品など上手にまんべんなく取り入れて愛犬の日々の健康に役立てていただきたいものです。

どの成分も過不足なく与えることが大切で、その管理ができるのは飼い主さんだけです。

ぜひ日々の愛犬の食事をしっかりと管理してあげて、愛犬の健康を維持してあげてくださいね。