小型犬にはドッグフードと人間のご飯のどちらがおすすめ?

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この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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人間のご飯を犬に与えるのは良いこと?

人間のご飯をわんちゃんにあげることは賛否両論があります。人間にとって無害の食べ物であってもわんちゃんにとっては有害になる食べ物も多いです。また、栄養価の偏り、肥満になりやすいなど健康面での問題もあるので気を付けなければなりません。

主に犬が食べると有害なもの

【ネギ類】

一番知られているのが玉ねぎ、ネギ、ニラなどのネギ類です。これは、アリルプロピルジスルファインドという物質が赤血球を破壊する。しかも、症状が現れるのは摂取してから3~4日後になる。溶血性貧血の原因となります。加熱したり、加工したりしても害は変わりません。

食材そのものを口にしていなくてもねぎのかけらが入った味噌汁やラッキョウなども厳禁です。

生姜、アサツキ、ニンニクなどにも含まれています。

【チョコレート・ココア】

テオプロミンという物質を分解できない。嘔吐や下痢の症状を示す。場合によっては死亡することもある。テオプロミンは、体重1㎏当たり100~200㎎が致死量と言われている。

【こんにゃく・椎茸・たけのこ】

消化不良を起こす可能性があります。特に小型犬・幼犬の場合は注意が必要です。

【ブドウ、レーズン】

個体差にもよるが中毒を起こすことがある。激しい嘔吐、下痢を繰り返す。場合によっては死亡することもある。中毒を引き起こす目安としては、体重1㎏に対してブドウ32gとされている。

【マカダミアナッツ】

個体差にもよるが中毒を起こすことがある

【キシリトール】

虫歯予防で知られるキシリトールは、少量でも口にすると低血糖の発作を起こし場合によっては死亡することもある。30分以内に血糖値が低下し、嘔吐、歩行困難、内出血、肝不全を発症する危険がある。元々、虫歯になりにくい犬は食べる必要性がありません。

【スルメ】

食べた後に胃の中で10倍上に膨れ上がることがある。その為、食べ過ぎると消化することもはくこともできない危険な状態になることがある

【アボカド】

人間にとっては非常に栄養価の高い食べ物である。だが、「ペルシン」という人間には無害だが家畜などほとんどの動物には有害な物質が含まれている。嘔吐、下痢などを起こす

【牛乳・乳製品】

少量のチーズやヨーグルトなら問題はない。しかし、牛乳、アイスクリームはダメ。個体差にもよるが、犬の50%は乳糖不耐症が報告されている。

犬が食べてよいもの

【果物】

・柿
ビタミンCが豊富に含まれている。尿石症には利尿作用があるので良い。皮と種はとる必要がある。

・梨
90%は水分でできています。皮、種、芯はとってあげる。ただし、缶詰の梨は糖分が多いためあげないほうが良い。

・リンゴ
食物繊維や酵素もたっぷりで腸内環境を整える作用がある。抗酸化作用もあり、下痢や便秘対策にも使える。熱を加えれば成分の効果を高めてくれる。ただし、皮は消化が悪いので必ず向いてからあげる。

・桃

種にはアミグダリンという毒性の成分が含まれるので絶対に上げてはダメ。果実を食べる分には問題はないが、カロリーが高いので量には十分注意が必要

・メロン

赤肉メロンには、体の抵抗力に効果があるB-カロテンがふくまれている。夏バテや食欲不振の時には、吸収の良い糖分を含むのでよい食品である

・パイナップル

ビタミンB2やクエン酸を含む。糖質をエネルギーに変えたり、疲労解消をしたりする成分も含まれている。ただし、食物繊維が多いので与えすぎると下痢や腹痛の原因になるので木を付ける必要がある。

【野菜】

・大根

酵素をたっぷりと含んでいる。ただし、酵素は熱に弱い。葉の方も与えて大丈夫。おろしにするときは、葉に近い部分の方が犬は食べやすい。生のままスティック状にして食後にかじらせてあげると歯石の蓄積を最小限に抑えられる。

・さつまいも

便秘にも効果的な食物繊維が豊富で整腸作用がある。加熱し皮ごとあげれる。甘くて食べやすい野菜だが、糖分が多めなので与えすぎると肥満のもとになるので注意が必要である

・キャベツ

ビタミンを多く含む。中でも傷ついた胃粘膜を修復する作用があるビタミンUがある。芯は、生のままスティック状にしたものを食後にかじらせれば、歯石の蓄積を最小限にしてくれる。ただし、ストラバイトを持つわんちゃんや与えすぎには十分注意が必要がある

・きゅうり

95%が水分でできている。主な栄養素はビタミンC、カリウム、Bカロテンなど。生の食感が好きなわんちゃんが多い

・ブロッコリー

ビタミンCが豊富。血液をサラサラにして免疫力を高めます。茎の方が栄養がある。ただし、シュウ酸を多く含む食材なので、結石を持つわんちゃんや与えすぎには十分注意が必要である。

・白菜

繊維質がたっぷりであるが、繊維が柔らかいのでお腹にも優しい食材。ビタミンCも豊富。生で食べれば酵素も補給できるし、食後に生の芯をかじらせれば、歯石の蓄積を最小限にもできる。

【魚】

・鮭

不飽和脂肪酸のEPA、DHAが豊富でビタミン類もたっぷりである。生はやめた方がよい。1~2分ほど煮て、ゆで汁も一緒にかけると良いです。

・さば

血液の流れをサラサラにする抗炎症作用のある脂肪分を含んでいる。味付けはしないで煮たり、焼いたりしてからあげるのがよい。

・かます

良質なたんぱく質を含み、カロリーも低めである。塩つけは絶対にしない。

・マグロ
たんぱく質豊富でDHAが多く含まれ、ビタミン類もたっぷりである。学習能力を高めます。生でもあげて大丈夫だが、その場合は必ず刺身用にする

・アジ

ビタミン、DHCを豊富に含んでいる。干物は塩分が高いのであげてはいけません。

【肉類】

・卵

生の白身だけを与え続けるとアビシンというアレルギーの抑制効果のあるビタミンが不足してしまうことがある。加熱するか黄身と一緒にあげると問題はない。

・豚肉・鶏肉・牛肉

動物性たんぱく質、ミネラルやビタミンが豊富な食材。鶏肉・牛肉は新鮮なものであれば、生でもよいがさっとゆでて半生にすると安心である。ただし、牛肉は、与えすぎると動脈硬化や高血圧などの原因になるので、十分な注意が必要と同時に野菜も一緒にあげるようにしましょう。

まとめ

人間が食べる食材だからと言ってわんちゃんにとってもいい食材だとは言えません。中には、中毒を起こして死亡することもあるので、十分気を付けないといけないです。また、犬と人間では必要な栄養素は違います。犬が最も多く必要とする栄養素はたんぱく質で、構成としてはたんぱく質60%、野菜25%、残りが炭水化物が理想とされています。人間のご飯をそのままあげていると栄養不足に陥る可能性があります。わんちゃんが欲しがるからと言って与えると、犬は何でも自分の思い通りになると勘違いしわがままな行動をとるようになることもありますし、人間の食べ物の味を覚えてしまい常にほしがるようにもなったりします。よく、ほじょ犬たちは、パートナーが食事中でも足元でおとなしくさせられているのはかわいそうだと。いう意見もあるのだが、これは、間違いです。ほじょ犬たちは、人間の食べ物をあげたりはしていないので興味がなく、欲しいとは思っていないので、かわいそうなことではないんです。個人の考えにもよるのだが、しつけの面からも人間のご飯を主食にするのではなく、無添加などのドックフードを主食にして、しつけの時に茹でたササミや手作りおやつなどをご褒美に使ったり、時々野菜などを付け加えるのが望ましいです。