犬がそわそわして落ち着きがない、それって病気のサインかも!?

愛犬がそわそわ落ち着かない時には、気持ちの問題(ストレスなど)に加えて病気の危険性も考えられます。

こちらでは犬がそわそわ落ち着かない時に考えられる状態や病気の症状(甲状腺機能低下、認知症、体調不良、てんかん)と解消法についてお伝えします。愛犬の様子が気になる飼い主さんはご確認下さい。

この記事の監修者
この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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犬のそわそわは病気のサイン?

犬に何だか落ちつかない様子が伺える場合、それは何かしらの病気の可能性が少なからずあります。

【甲状腺機能の低下】

その一つとして「甲状腺機能低下症」があげられます。

これは、体内のカルシウムの濃度が低下してしまう事により、神経筋が正常時より興奮しやすい状態になります。そのために、落ち着きを無くしたり、イライラしたりする行動をみせてしまいます。 この病気の特徴として、落ち着きを取り戻したと思えば、翌日にはまた落ち着きが無くなっているという事を繰り返す事がある事です。

精神的なストレスが溜まっているのかと勘違いされやすいために、比較的発見が遅れる事の多い病気でもあります。もし、犬にそわそわと落ちつかない様子が伺えた時、一度獣医に見てもらうのが良いかもしれません。

【認知症】

犬にも認知症が発病する事があります。老化によって脳の反応や認知力が低下するのです。そのために脳が制御できないことが多くなり、同じ行動を繰り返す事があるのです。同じ場所をくるくると回り続ける行動は認知症の原因として考えられます。この行動以外に、家の中で迷子になったり、興味の低下(おもちゃや遊び、他の犬など)、その他には攻撃的になったり睡眠サイクルがずれたり、トイレの失敗などをするようになります。

認知症は老化と共に自然と訪れてしまうもので治療法もありません。ですが、極力脳の低下や衰えを遅らせる事が出来ます。普段から脳に刺激を与えるように気を遣ってあげましょう。例えば、知育おもちゃを与えたり、散歩コースを変えるだけで脳に刺激はいきわたります。そして、体をマッサージしてあげる事も脳へ刺激を与えます。これによって認知症の発症や進行を遅らせる事が出来ると言われています。

【体調不良による痛み】

犬はとても痛みに強い生き物です。その上、痛みを痛いとも言えないので怪我のような見て分かるような症状でなければ飼い主は気付きにくいものです。見てわかる傷ではなく胃や腸のような所に痛みがあると犬は落ち着きがなくなりウロウロするケースがあります。更に重症になれば寝込む、意識の混濁などが起こりえます。

このような腹痛を起こす病気は重症化すれば命の危険があります。腸閉塞や誤飲によって胃腸が傷ついて出血していたり、メスであれば子宮蓄膿症など、命に関わる病気は多いのです。お腹などを触ると嫌がったり、痛みを堪えているようであるなら重篤化する前にすぐに病院へいく必要があります。

【てんかん】

犬にもてんかんはあります。てんかんというと、白目をむいて泡を吐いて体の痙攣が起きる発作が頭に浮かぶと思いますが、落ち着きなくウロウロする症状もみられます。てんかんにはいくつかの種類があります。脳内にある神経細胞は電気によって信号を送っています。そして爆発するように(異常に)電気が走ってしまった時に、てんかん発作が起こります。

てんかん発作が継続的に起こる事で脳に障害を持ってしまう事をてんかんといいます。脳の一部で発生した神経細胞の異常発火のことを「焦点性てんかん発作」、右脳と左脳を含む幅広い箇所で起こる神経細胞の異常発火を「全般性てんかん発作」といいます。犬で多いのは全般性てんかん発作といわれています。

これらのてんかん発作の症状には、顔の痙攣や瞳孔の拡大、嘔吐、不安や恐怖があったり、落ち着きがなくなる(ウロウロする)、筋肉の弛緩などの症状があります。発作のあとには、目的もなく同じ歩調で歩き続けるなどの行動を見せるケースがあります。

【参考】

万が一にも大きな症状にかかってしまった場合、症状によっては大きな医療費用がかかることもあります。近年では同ケースで愛犬の為に医療費を工面するのが難しい方も増えてきてますので、万が一が無いよう、日頃から愛犬の様子をみて早めの対応を進めていきましょう。

もし、医療費の工面が難しい時は以下もご参考になさってくださいませ。

▼ペットの治療費や飼育にかかわる費用全般に▼

加齢や体調不良による症状

犬は加齢に伴い、脳が退化してしまいます。どこかそわそわしている様子が伺える場合、認知症が関係している事があるのです。同じ場所で円を書く様に歩いている場合、落ち着きの無さを感じるかもしれませんが、認知症による症状でも起こりえます。 また、犬は体調不良を起こしている時にも落ちつきが無くなる事があります。

腹痛が酷い場合には、落ち着きなく歩き回ったり、尻尾を下に下げて歩いていたりする様子がみられます。 これは犬自身にとってもどうすれば良いのかと、対処が分からない状態になっています。単なる腹痛ならまだしも、重大な疾患を引き起こしていると危険ですし、病気の進行を許してしまう心配があります。 犬に落ち着きの無さを感じた時には叱ったり放っておいたりする事無く、時間がある時に専門医に相談し、適切な処置を施してもらう様にしてみてください。

精神的な不安が原因なことも

人間も同様ですが、何かストレス要因があるとそれが原因で精神的にも不安定になり、落ち着きがなくなることがあります。精神的な不安は次第に様々な症状に影響してきますので、飼い主の方が何か原因を思い当たる時には注意してください。動物にとってストレスになることは、今までの環境が大きく変化したときです。ひっこしや、散歩の回数が減った、餌が変わった、などで犬にとって大きなストレスになっていることです。

人間と違い、そのストレスを犬は飼い主に何が不満か打ち明けることができないため、そのストレスを内部に抱え込んでしまいます。そうなると、人間同様、胃や腸などにさらに疾患を広げてしまう結果になるため、注意が必要です。もし、今までと何か環境が変わったことがあるのでしたら、まずはその点をチェックしてみてください。

ストレス関連の要因は意外と見落とされてしまうポイントの一つですので、出来る限り早めに飼い主の方が原因を見つけてあげて、症状を緩和できるようにしてあげると良いでしょう。放置しても問題が解決せず、犬にとってさらにひどい症状の原因になることも多いため、十分に注意してください。

まとめ

犬が落ち着きなくウロウロするのは上記に示した症状や病気が多いと言われています。もちろん、考えられる原因はこれ以外にもあります。もし愛犬がいつもと違う動きをしていたら、その場限りなのか、それとも定期的に起こるのか?常にするようになったのか?などを見て少しでも早く愛犬のサインの気が付いてあげて下さい。

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