愛犬が心臓病になってしまったら?突然の症状に驚き、悲しむのはもちろん、「どうすれば治せるのか?」と悩まれる飼い主さんが多いかと思います。
ここでは、そんな愛犬が心臓病になったときの症状や対策についてお伝えしていきます。
犬の心臓病の症状と心臓病にかかりやすい犬種とは?
心臓病は犬の死因TOP3に入るほどの病気で、厳密には死因第一位は「ガン」、次いで第二位に位置するのが「心臓病」です。
心臓病はすべての犬の約10~15パーセントに起こるとされており、中でも10歳以上のいわゆる老犬になると、その30パーセントが心臓病を患っているとされています。ただ、きちんとケアしてあげれば心臓病を患っても長生きが出来るんです。
そして当然ですが、心臓病をなるべく発症しない生活を送らせてあげたいですよね?
まず以下では心臓病の症状・なりやすい犬種・注意点などをお伝えします。
犬の心臓病の症状
- 呼吸があらい(ゼーゼーと息をする)
- 咳が出る
- 運動を嫌がる
- 食欲が落ちる
- じっとしている事が多い
これらの症状が愛犬に出てきたら注意です。心臓病になると心臓から全身に送られる血液が不十分になってしまいます。その場合、血液に含まれる活動する上で必要な栄養や酸素が足りなくなってしまいます。この事から呼吸があらくなったり、運動を嫌がる、活動をせずじっとしているという事が多くなるのです。
心臓は体に栄養や酸素が足りてないと思うとさらに頑張って送り出そうとしますが、それが返って心臓に負担を掛ける原因となってしまいますので、心臓病の疑いがあったらすぐに病院で診察を受ける事が必要です。
心臓病になりやすい犬種
心臓病は小型犬の方がなりやすいと言われています。心臓病は先天性のものと後天性のものがあります。
【先天性でなりやすい犬種】
プードル、ダックスフンド、ポメラニアン、ゴールデンレトリーバーなど
【後天性でなりやすい犬種】
ポメラニアン、マルチーズ、6歳以上の高齢の小型犬など
犬の心臓は1日に18万回も鼓動をしていると言われていて、当然休むことなく1年365日動き続けています。そして近年では小型犬の寿命も延び、平均でも14歳と言われています。そのため高齢になればなるほど心臓に負担が掛かってくるのは当たり前の事なのです。
心臓に負担を掛けないために
少しでも心臓に負担のかけない生活を心掛けてあげたいものです。では何が負担になってしまうのでしょうか?
- 適度な運動
- 適度な食事(バランスのよい食事)
- 塩分の摂りすぎに注意
- 肥満に注意
- 病気の際はすぐに病院での治療
- 病気の際のフード(低脂肪、高タンパク)
その子にとって適度な運動や食事を日ごろから守る事が大事です。
肥満や塩分の多い食事は心臓に負担を掛けてしまいます。元気なうちから肥満に注意して、そして人間の食べ物(塩分が多い為)を与えずに愛犬の健康を考えてあげましょう。
そして、もし病気の疑いがあったらすぐに病院へ行く事が必要です。そのためには高齢の犬には定期的に健康診断を受けさせましょう。早期発見・早期治療をすることで血管を広げるための治療を早くスタートさせる事ができ、心臓の負担を軽減することが出来ます。
小型犬に多い心臓病ですが、予防をしたり発症後の対応によって寿命も変わってきます。もし愛犬が少しでもおかしいと思ったら早めに病院へ行ってください。
2.犬の心臓病の治療と予防、術後の寿命はどうなる?
犬の心臓は日に18万回ほど鼓動をすると言われています。毎日動いている心臓は犬の寿命が延びた昨今、高齢になるにつれて負担が多くなってしまいます。
ですが、もし心臓病と診断されてしまったらからといっても治療や食生活の見直しを適切に行えば長生きする事も可能なのです。
では心臓病の治療とはどのようなものでしょうか?
犬の心臓病の治療
心臓病は心臓に負担が掛かり過ぎていて、うまく血液を循環させる事ができないために酸素や栄養が体に行き渡らなくなってしまいます。そしてそれを察した心臓は更に酸素や栄養を体に行き渡らせようと頑張って心臓を動かします。その事で更に心臓に負担が掛かってしまうのです。
心臓病の場合には心臓に負担のかからないように投薬が行われます。これは、血管を広げ血液を多く循環させる事で心臓の負担を減らします。そして家で出来る事は、運動と食事管理です。
運動
心臓病の度合いによって運動量は変わってきます。走らないでゆっくり歩くだけの散歩は可なのか、家でも安静にしていなければならないのか、これはその子の性格や病気の度合いによって獣医さんに指示を仰いでください。
食事管理
そして食事管理ですが、多くの場合は高タンパク低脂肪のフードに切り替えるように言われるはずです。肥満や塩分の多い食事は心臓病に負担のかかるものですから余分な脂肪分や塩分の入ったフードは与えないようにしなければいけません。散歩量などを減らした場合には、今現在の散歩量に応じたフードの適量を与えるようにするのです。
そして忘れずに薬を飲ませてあげて、定期的に検診を受ける事が重要です。
心臓病の予防
心臓病の予防も出来る事があります。もちろん、高齢とともに心臓に負担が掛かるものですから、自然となってしまう事は仕方がありません。ですが、食生活によって心臓病の発症を早める事だけは避けたいですよね。
では、どのような食生活で予防が出来るのでしょうか?
- 人間の食べ物を与えない
- オヤツを過度に与えない
- 適量のバランスの良い食事を与える
- 適度の運動を常日ごろから行う
病気になる前からこのような事に注意して日々の生活を送らせてあげましょう。人間の食べ物は人間用に出来ていますので犬にとって塩分が濃いものがほとんどです。ハムやソーセージはもちろん、人間用の煮干しなども海水から取ったものをそのまま干しているものがほとんどですので、「犬用」と書かれたものを与えましょう。
そしてオヤツは嗜好性が高く作られているので栄養が少ない上に高脂肪のものがほとんどです。オヤツは適量に与えメインはバランスのいいドッグフードを与える事が大事です。
【参考記事】
医療期間にかかる場合は?費用相場は?【参考例】
お医者さんごとにより相場は変わりますのであくまで参考地として。医療機関における治療方法には「薬による治療」と「外科手術」の2パターンありますが、犬の治療費は国の保険が無いために全額負担となってしまいます。以下が参考数値となります。
「薬や検査などによる治療」※相場により違いあり。
(再)診察料:800円
内服薬:15,000~20,000円/月
心電図:5,000~8,000円/1回
胸部レントゲン:4,000~6,000円/回
血液検査:6,000~10,000円/回
エコー検査:4,000~6,000円/回
心臓病用ドッグフード:5,000~7,000円/回
「外科手術」※相場により違いあり。
80~100万円
およその目安ですがこのようになります。
さらに、入院が必要となると30,000~60,000円程追加でかかります。
もちろん手術にかかるほど大きな症状にならないうちにケアできるのが一番です。ですが、万が一の場合はこのような金額面での大きな負担が出てくることもあらかじめ知っておいてくださいね。
※もし、金額面での負担が大きく自分で負担するのが難しい場合は、一時的に専用のペットローンの利用も検討してみてください。
【参考】
▼ペットの治療費や飼育にかかわる費用全般に▼
定期検診と普段の様子から飼い主さんが察知しよう
心臓病はどの犬にも起こる可能性のある病気です。そして特に高齢の愛犬には定期的な健康診断を受ける事をお勧めします。心臓病はすぐに治療を開始する事ができれば心臓の負担を減らす事ができ、悪化を防げます。少しでも様子がおかしいなと思ったら、自己診断せずにすぐに病院へ行ってくださいね。
犬が心臓病になった場合の食事
犬が心臓病になってしまうと、全身にうまく栄養を運ぶことが出来なくなってしまい、疲労や呼吸困難、食欲の低下、全身のむくみなどの症状が現れます。このように、犬の心臓病は珍しい病気ではなく、この病に侵されていますと日常の様々な場面に悪影響を及ぼすことになります。
もしも愛犬が心臓病を患ってしまったら、飼い主は何をしてあげればいいのでしょうか。飼い主に出来ることで、なおかつとても大切なこと。それは「食事の見直しと管理」です。心臓に負担をかけることのない食事を準備してあげるようにしましょう。
愛犬が心臓病になってしまったら。塩分は控えめに!
心臓病の犬の食事で一番気を付けなければならないのが「塩分の摂りすぎ」です。心臓病のステージが進むにつれてこのナトリウム制限も厳しくなっていきます。
もしも手作りのご飯やトッピングを与えるのであれば、このことを頭にいれて作るようにしましょう。また、心臓病専用のドッグフードもありますのでそちらに切り替えることも方法としてはおすすめです。
食事のバランスも調整しよう
朝晩二回の食事のうちのどちらか片方だけでも心臓病専用ドッグフードに変えてあげると心臓への負担も少なくなりますし、飼い主としても安心できるのではないでしょうか。手作りする際も味付けは極力しないようにすることをおすすめします。
こうした食事の管理と平行して、普段から愛犬の状態をしっかり把握しておくということも欠かせません。散歩の量なども、その子の状況とステージに合わせてケースバイケースで変更する必要があるということも頭にいれておきましょう。出来るだけストレスのない穏やかな日々を遅らせてあげるということも大切ですよ。
まとめ
以上、愛犬が心臓病になってしまったときの症状や対策についてお伝えしてきました。
当然ですが心臓病にならない方が良いですし、そう願いたいのが本音ではありますが、人間と同様で、いつ、どんなタイミングで病状が発症するのか?は予測がつきません。
いざというときに悩まず愛犬をサポートできるよう、に飼い主さんとしては心臓病へのケア方法も知っておいてくださいね。
もし、愛犬が心臓病にかかって手術をするまでになってしまった場合、金銭的に大きな負担を抱えることもあります。