アレルギー食の選び方と皮膚の痒みを抑えるポイント
アレルギー食の選び方
アレルギーをもっている犬にとって、とくに「フード選び」は重要となってきます。なので、ドッグフードに使用されている原材料のチェックはとても大切です。原材料の中に含まれている小麦は、消化率が最も低く、アレルギー性が高いといわれています。犬は小麦の中に含まれているグルテンを適切に消化する消化酵素を持っていないので胃腸や皮膚、また被毛にアレルギーの反応として出てしまいます。トウモロコシ、大豆に関してもアレルギー源となるといわれています。犬によっては牛肉や卵、穀物類、鶏、羊も要注意です。ただ、基本的には『アレルギーの原因になっている食べ物を与えないことが大切』で、特にたんぱく質の与え方が重要となってきます。
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たんぱく質の与え方
たんぱく質の与え方としては、『アレルギーが出たことがないたんぱく質を選ぶ』、『消化性の高い良質のたんぱく質を与える』、『種類を限定して与える』、など気を付けながらたんぱく質を与えていきます。今では動物病院などでも売られていますが、『除去食』と呼ばれているたんぱく質を限定した療法食を選択するという手もあります。しかしながら、低アレルゲンフードや除去食でも反応が出るわんちゃんはいますので、獣医さんとご相談しながら、アレルギーの原因になる食べ物が入っていないものを選ぶようにすると良いでしょう。犬は本来、肉食性の動物ですので、穀物が全く使われていないフードにするのもよろしいと思います。お肉の中でも馬肉や鹿肉はアレルギー食にお勧めの食品になってます。またお魚もとても良い食品です。
脂質選び
アレルギー食を選ぶ際に、脂質についても考えなければなりません。ドッグフードは犬が食べやすいように油を吹きかけてあります。油の酸化というものもありますし、牛肉、豚肉などに含まれている脂質は飽和脂肪酸が含まれているので、これらの脂質をアレルギーを持った犬に与えるのは注意が必要となってきます。というのも、皮膚に対して、飽和脂肪酸は炎症をひどくしてしまう物質を増やしてしまうからです。
お魚の中に含まれている脂質のオメガ3(DHA.EPA,αリノレン酸)と呼ばれている必須脂肪酸は逆に皮膚の炎症を抑える働きがあるので、アレルギー食を選ぶにはこのオメガ3が豊富に含まれているフードを選ぶようにすると良いでしょう。勿論、フードの開発は進んでいますので、お肉ベースのものでも必須脂肪酸のバランスが考慮されたものが出ております。それらのフードを使いプラスアルファ、オメガ3必須脂肪酸が豊富と言われているサーモンオイル等を加え、毎日の食事を与えるとよいでしょう。
鮭やタラに多く含まれているEPAは毎日とることでアレルギー体質を緩和させるという、研究結果も出ていて、オメガ3はアレルギー改善には定説です。サーモンオイルは最近注目され、ドッグフード売り場などにも売られるようになってきてますのでぜひ活用してみてください。
免疫力を上げる
免疫力を上げること、免疫力を正常化すること、血液をサラサラにすることはアレルギーの子には重要課題となってきます。とくに腸内環境の改善はキーとなります。腸内細菌のバランスを整えることはアレルギーを引き起こすIgEを抑制するという事がわかっているのでとても重要な意味を持ちます。人間もプロバイオティクスを摂取することは良いとされてますが、犬も同様、腸内環境を整えるためにプロバイオティクスの摂取は積極的にしたいところですね。
つらい皮膚のかゆみ、どうやって抑えるの?
続けてワンちゃんの「痒み」についても。
愛犬がつらい痒みに悩まされているのを見ると飼い主さんの方も本当につらいですよね。少しでも愛犬のつらい皮膚のかゆみを抑える方法があれば実践したい・・・そう思っている方は多いと思います。犬のかゆみを抑える方法はいくつかあるのでご紹介したいと思います。
基本的には皮膚を清潔に保つためにこまめに薬用シャンプーで体を洗いよく保湿してあげることが一番です。薬浴もおすすめです。時々ペットショップなどで見かける、犬専用の温泉の素などもあるので、そちらも一緒に使ってみるのも良いかと思います。
カモミールローマンやカデンデュラ等のハーブ、また緑茶は抗炎症作用や殺菌作用があるので犬の皮膚が痒く炎症を持っている時は使ってみると良いでしょう。カモミールローマンやカデンデュラ、また緑茶は、ハーブティーや通常のお茶としてお湯に抽出し、冷めるまで待ってから、愛犬のシャンプーなどの後に直接皮膚に塗布してあげます。洗い流さずにそのままドライしてしまいましょう。
痒みのあるわんちゃんは免疫システムも低下してますので、ハーブショップで購入したエキナセアやダンデライオンなどを使い食事に混ぜたり、ハーブティーとして飲ませてあげたりしてみると、免疫力アップや解毒作用、血液浄化作用など期待できますので症状の緩和につながります。ハーブを使う場合は、ハーブにも薬効作用があるので、処方薬とハーブの薬効作用がぶつかり合わないか、獣医師にご相談してからつかってあげると安心です。
もちろん、毎日の食事(フード)からアレルギーを引き起こしてしまう原因のものはすべて取り除くことは忘れないようにしましょう。獣医さんから処方されている飲み薬を飲んだり、塗り薬を塗布したり、時には注射でかゆみを抑える場合もありますが、まずはなるべく薬を使わない方向で、自然療法を試してみるのもいかがでしょうか。
おわりに
毎日の食事は本当に大切です。人間の体同様、犬の体も食べたものからできてます。もし、アレルギーを持っているわんちゃんがご家族にいたら、食の選び方は本当に気を使っていらっしゃると思います。食事内容は個々のわんちゃんによっても違いますが、良く獣医さんとご相談して、アレルゲンとなるものを除去した食べ物を与えてあげる、消化性の高い良質なものを選ぶ、体の中を浄化して血液をサラサラにするなど、日々工夫をしていく事が大切ですね。
時にはハーブなどを使ったりする自然療法のお世話になってみるのもおすすめです。皮膚のかゆみは、毎日の食べ物と皮膚の清潔、体内の浄化、免疫力を上げるなどでずいぶんと緩和することができると思いますので、大切な家族の一員のわんちゃんの為にも、獣医さん、ご家族が一丸となって、毎日のケアをしていただきたいとおもいます。