蛋白漏出性腸炎におすすめのドッグフード選びで大切なことは?

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内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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愛犬の蛋白漏出性腸炎対策で悩んでいるときは?

犬が蛋白漏出性腸症を発症してしまったら食事はどのようにすればいいのでしょうか?

愛犬が蛋白漏出性腸症の時に気をつけなければいけない食事や症状の概要ついて、こちらでお伝えしていますのでご参考になさって下さい。

蛋白漏出性腸炎におすすめ食事・ドッグフード選びのポイントは症状による判別を

この病気は治療が必要となりますが、家で飼い主さんが出来る事もあります。それは、食事に気を付けてあげること。

【リンパ管拡張症(IL)】の場合

リンパ管拡張症(IL)の場合は療法食が非常に効果的だといわれていますので、その場合は高タンパクで低脂肪食に切り替える必要があります。脂肪がリンパ管に負担を掛けてタンパク質の漏出をおこしているからです。

【リンパ球形質細胞性腸炎(LPE)】の場合

リンパ球形質細胞性腸炎(LPE)の場合は腸の炎症が起きる原因によります。これは免疫機能異常やアレルギーによって引き起こされている炎症というのが濃厚とされています。アレルギー検査を行いつつ症状が悪化しないものを根気よく探す必要があります。高タンパクでアレルギー症状が起きないものを選んであげましょう。

【消化管型リンパ腫】

消化管型リンパ腫の場合は、腫瘍の進行具合にもよりますので獣医と相談の上、食事を決めていく必要があります。

蛋白漏出性腸症におすすめの食事は?

蛋白漏出性腸症(蛋白漏出性腸炎)はその名の通りタンパク質が吸収されずに漏出してしまったりアルブミンが漏出してしまう症状です。

上述したようにいくつかの病気でこの症状が出る事が分かっていますが今回は一番多い原因だとされているリンパ管拡張症(IL)と診断された場合に必要な食事療法についてお伝えします。

リンパ管拡張症(IL)の食事は「高タンパク低脂肪」が基本となります。その理由は、タンパク質が消失しているので高タンパク質のものを、そして脂肪分の高い食事はリンパ管に負担を掛けてしまうのから。そのため低脂肪のフードでなければいけません。

この病気はタンパク質の消失が激しいために、栄養失調を招いたり体重の減少が見られます。他の症状として下痢や嘔吐、腹水、むくみなどもみられるためにすぐに飼い主さんは病気に気がつくことが出来ます。ただ完治する事がないために、内服治療と食事療法を根気よく続けなくてはいけないのです。

高タンパク低脂肪の食事

高タンパク低脂肪の療法食も販売されています。ですが蛋白漏出性腸症の場合には手作りフードも効果があります。

高タンパクで低脂肪の代名詞ともいえる鶏のささみをメインに野菜や消化のためのお米などを煮て与えましょう。どの肉類もタンパク質は良質ですが、特に豚や鶏のモモなどは脂質が高い為に向いていません。ささみが手に入らない時は胸肉をしっかり茹でて(2度茹でるのも効果あり)脂質をしっかり落とす必要があります。
野菜は与えてはいけないネギ類など以外であれば犬はどの野菜も食べます。様々な種類の野菜から栄養を摂って欲しいですよね。ただ野菜によっては芋類やとうもろこし、かぼちゃなど糖質が多い野菜もありますので日々の栄養チェックは必要です。

そして犬も生きるために脂質は必要です。

脂肪の中には長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸があるのですが、長鎖脂肪酸がリンパを拡張させると言われています。ですから、ココナッツオイルなどの中鎖脂肪酸を上手に利用してカロリー補給や犬にとって重要な脂質の補給をしてあげてください。

ご飯は通常であれば1日2回だと思いますが、この病気の場合には1度の量を減らし1日4回ほど分けて与える事もいいとされます。

あとは、食事内容はその子の好き嫌いの問題ですので細かく刻んだり、栄養を補える他の野菜に変更したりしてあげてください。

【おさらい】蛋白漏出性腸炎とはどんな病気?

蛋白漏出性腸炎(蛋白喪失性腸症)PLEというのは病気ではなく症状の1つです。本来なら吸収しなくてはいけないタンパク質や、肝臓で生産されるアルブミンが消化器より漏れ出してしまう症状で、低蛋白・低アルブミン血症が発症してしまいます。

【蛋白漏出性腸炎の主な症状】

下痢・嘔吐・体重減少・食欲不振・腹水・むくみなど

では、蛋白漏出性腸炎を引き起こしている直接の疾患はどの様なものでしょうか?
いくつか考えられますが、主に考えられるのは、この3つになります。

  1. リンパ管拡張症(IL)
  2. リンパ球形質細胞性腸炎(LPE)
  3. 消化管型リンパ腫

【リンパ管拡張症(IL)】

腸のリンパ管の異常によってタンパク質が吸収されずに喪失してしまう病気です。犬種としてはヨークシャー・テリアに多いとも言われますが、他の犬種でも見つかっています。

【リンパ球形質細胞性腸炎(LPE)】

小腸や十二指腸などに怒る炎症性腸疾患で粘膜層に形質細胞(プラズマ細胞)の浸潤から炎症が起こる病気です。炎症によって、腸全体の機能が低下しタンパク質やアルブミンの漏出が起こってしまいます。

【消化管型リンパ腫】

消化管型リンパ腫は犬の中で最も多く発生する消化管腫瘍です。犬の消化管型リンパ腫は予後が悪い事が多いと言われています。

蛋白漏出性腸炎が怖いというのは、食欲不振なのに慢性的な下痢、体内に取り込めない栄養、これらが重なり犬はどんどん痩せ栄養失調を引き起こす可能性が高いのです。

蛋白漏出性腸炎と診断されてしまったら……

もし、下痢や食欲不振が続き病院に行ったら蛋白漏出性腸炎と言われてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

病院ではまず、蛋白漏出性腸炎が起きている原因を調べる事になります。そしてステロイドや免疫抑制剤、抗腫瘍薬などその原因にあった投薬治療が必要となります。ただ、蛋白漏出性腸炎は自然治癒する事はなく、原因となる病気も根本的治療がありません。

このことから、栄養失調にならないように注意してあげる必要があります。

まとめ

蛋白漏出性腸炎の元になる病気は現在の所、根本治療はありません。

完治はしませんが症状の重篤化を遅らせる事が出来ると言われています。普段から食べ物に気をつけて高タンパク低脂肪の食事を与えてあげたいところです。

蛋白漏出性腸炎という症状が出てしまうと栄養失調により最悪死亡してしまう事もある怖いもの。

獣医師への相談、気になる時にはセカンドオピニオンなど出来る事からしてあげ、獣医師も食事の相談も行ってくれているところがほとんどです。

自己判断せずに、必ず先生の指示を仰ぎながら食事療法を行ってくださいね。

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