成犬用のドッグフードに切り替える際に大切なことや注意点は?

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この記事の監修者/キャットケアスペシャリスト
内山智明

犬・猫が大好きな内山です。家では保護猫と一緒に暮らしています。

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はじめに

ドッグフードの切り替えは犬を飼育する上で何度か訪れるものです。中でも、子犬用から成犬用への切り替えは、どんな飼い主様も一番最初に経験することでしょう。そこで今回は、子犬と成犬のフードの違いを紹介しながら、適切な切り替え時期や切り替え時の注意点などについてお話しします。

子犬用のドッグフードの特徴

まずは子犬用のドッグフードが成犬用のドッグフードと何が違うのかを知っておく必要があります。
子犬期はエネルギーが成犬の2倍必要だとされており、また成長のための大切な時期であることから、たんぱく質やカルシウムなどの栄養素をバランスよく与える必要があります。
特に重要な栄養素について紹介します。

たんぱく質

子犬は成長が早く、筋肉などの体の組織を作るために、体重1kgあたり成犬の4倍のたんぱく質が必要になります。

カルシウムとリン

健全な骨と歯を作るために必要な栄養素で体重1kgあたり成犬の6倍必要とされています。摂取比率を守ることが重要で、「カルシウム:リン=2:1」の摂取比率になります。カルシムだけが多すぎてもよくないので、摂取比率に注意しましょう。

脂肪酸

必須脂肪酸として重要なのが「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」です。オメガ3脂肪酸は脳と目の発達、かゆみの鎮静や血の凝固に役立ちます。一方オメガ6脂肪酸は皮膚と被毛の健康や、健全な繁殖能力の維持に役立ちます。

これらの栄養素やエネルギー(カロリー)を摂取することは子犬にとっては必要なことですが、同じ量を成犬に与えると、栄養やカロリー過多となり、肥満を招いてしまう恐れがあります。

だからこそ、犬の年齢によってドッグフードをの種類を切り替えることが大切なのです。

成犬用のドッグフードへの切り替え時期

次に切り替え時期についてお話しします。

切り替え時期は「犬の成長が止まった段階」です。しかし、一概に成長が止まる段階といっても、犬種や体の大きさによって時期がことなります。

  • 超小型犬や小型犬の場合→成犬になるのは生後約6~9ヶ月
  • 中型犬の場合→成犬になるのは生後約12ヶ月
  • 大型犬の場合→成犬になるのは生後約18ヶ月
  • 超大型犬の場合→成犬になるのは生後約24ヶ月

自分の飼っている犬の大きさから、フードの切り替え時期の割り出してみましょう。

成犬用のドッグフードへの切り替え方法

それでは実際、どのように切り替えていけば良いのでしょう?

一番大切なことは「一度に全部切り替えないこと」です。

犬は習慣を大切にするので、今まで毎日もらっていた食事が100%全く違う種類のものになったらびっくりして、口をつけない犬も多くいます。また、中には全部完食したものの、その後体調を崩してしまう場合もあります。この不調は、フードをいきなり100%切り替えたことによる消化不良である場合が多いのです。

そのため、フードは

  1. 【今までの食事に少量ずつ新しいフードを混ぜる】
  2. 【約1週間で100%切り替えられるようにする】

この2点を心がけて切り替えてくと、うまく切り替えることができます。

もしも、新しいドッグフードを少量ずつ混ぜて与えている途中の段階で、下痢などの症状が出たら、症状が改善するまでの間はフードの割合を変えずに、体調が落ち着いた段階で再び2種類のドッグフードの混ぜる割合を変えていきましょう。

1-4.最後に

各家庭で子犬や成犬に合わせた栄養素を考えて与えることはとても難しいことです。その点、各月齢に合わせたドッグフードには必要な栄養素がぎゅっと凝縮されているので、大変便利なものです。ただし、それもその月齢に応じて変えていかなければなんの意味もなく、むしろ逆効果になる場合もあります。

フードの切り替えの際の注意点に気をつけながら切り替えていくことが大切です。

今回紹介した注意点は成犬からシニア犬になるときのフードの切り替えや、普通食からダイエット食への切り替え、アレルギー対応の食事への切り替えなど、様々な場面でも応用できることなので、どんな場面でも注意していただきたいと思います。

【参考】→ 同じフードの長期使用は危険!?「餌の見直し」してますか?