外飼い、室内飼いどっちがいい?
まず、犬を室内で飼うか外で飼うかは飼い主さんの生活環境や考え方次第。例えば、室内犬だと言われているダックスは、十分外で飼えますし、飼っている方も結構います。外飼い、室内飼いそれぞれのメリット、デメリットを紹介します。
外で犬を飼うときの注意
夏場は、暑さ対策で犬小屋の設置場所にはすだれなどを利用して日陰を作ったり、地面からの熱が伝わらないように犬小屋は高床式にしましょう。日光の直射は避けるようにすることが大切です。犬小屋の外壁に打ち水をするとほんの少し小屋内の気温上昇を抑えてくれます。
冬場は、小屋の入り口から冷気や寒風が入り込まないように設置の向きを考える。小屋の中にはいらなくなった毛布、セーターなど保温性の高い敷物を敷いてやる。小屋は冷え切った地面からの冷気が伝わらないように高床式にすると良い。体温維持をするために多くのカロリーが消費されるので、冬場は多めに御飯をあげたり、カロリーの高いご飯にする。犬が本来持っている被毛の防寒性を最大限に引き出すためには定期的にブラッシングをして汚れや毛玉を除いてやることが大切です。
無駄吠え、クンクンなく、同じ場所をウロウロするなどはストレスになっているので、外で過ごす時間を短くしたり、室内飼いに切り替えたりする必要はあります。
外で犬を飼うメリットとデメリット
【メリット】
- 家の中が汚れない
- 家具などをかじられる心配がない
- 被毛が飛び散らない
【デメリット】
- 周りの音や人に敏感に吠えるようになることがある
- 鳴き声、臭い等の苦情が周囲からでることがある
- ノミ、ダニ、フィラリアに感染する危険が高くなる
- 飼い主さんとのコミュニケーション不足になりやすい
室内で犬を飼うときの注意
普段から、ハウスやケージで飼うようにする。犬が自由に動ける範囲=自分のテリトリーということになります。しつけをしていく上でも、24時間家の中を自由に動けまわれるというのは好ましくありませんし、人間も自分だけの落ち着ける場所というのが必要なのと同じで、犬にもやはり自分だけの落ち着ける場所というのは必要です。また、知人やペットショップなどに預けないといけなくなった時に、ハウスやケージで過ごす習慣がなければ、夜通し吠え続けることもあり、ストレスにもなります。外出など、目を離した時に家具などをかじって喉を詰まらせ窒息したり、誤飲したりなどの心配もあります。きちんと散歩に行ったり、遊ぶ時間を作ったりすることで、1日ハウスやケージで過ごすことは何の問題もありません。
人間の食べ物は絶対にあげない。タマネギやチョコレート等の中毒を起こさない食べ物であっても、あげると犬は味を覚えてしまい、その食べ物を欲しがるようになります。人間の食べ物を与えると病気の原因にもなることがあります。
夏場は、遮光カーテンにしたり、エアコンの除湿をつかったりして熱中症対策は室内でも必要です。
室内で犬を飼うメリット、デメリット
【メリット】
- 犬はもともと群れの中で生活をする習性なので、単身だったり、仕事でほとんど家にいないという条件でなければ誰かが近くにいることは感じれるし、家族という群れで過ごせることになり、精神的に安定した状態は維持できる
- 犬とのコミュニケーションをとる時間がふえる
- 日常的に触れ合うことで犬にとっても、人間にとっても安心感や安らぎを持てる
【デメリット】
- 被毛が飛び散る
- 犬独特の臭いがする
- トイレのしつけがきちんとできていなければそこら中にされてしまう
- 家具や電気コードなどをかじられたりする
人畜共通感染症
【狂犬病】
- 誰もが知っている人畜共通感染症です。
- 消毒薬や石鹸で死滅できる比較的弱いウイルス
- 感染経路は咬傷。犬、人だけではなくすべての哺乳類が感染。
- 症状としては、沈鬱、麻痺、興奮がある。症状が出ると死亡してしまう。
- 生後91日以上の犬には年に1度予防接種と登録が義務付けられている。
- 発症地域への渡航の際は必ずワクチン接種をしましょう。
- 犬にかまれた際は、石鹸で洗い流し、消毒をしてすぐに医療機関に受診しましょう。
【ブルセラ病】
- イヌ流産菌以外にウシ、ブタ流産菌、マルタ熱菌とがある。
- 感染経路は経口。犬以外には羊、山羊、牛、豚にも感染する
- 病原性が一番強いのはマルタ熱菌、次にウシ流産菌となる。
- イヌ流産菌の人への感染は一番弱いと言われていて、水で洗い流すだけで死滅するが、周期的な発熱や疲労感がある。
- 無症状のこともあるが、不妊や流産になることもある。
- 胎盤、尿、唾液の中にイヌ流産菌は混ざっているので、胎盤は素手でさわらないようにする。
【Q熱】
- 乾燥状態でも長く生き続け、抵抗力が非常に強いコクシエラ菌が原因
- 感染経路は経口。犬以外には猫、家畜、野鳥、野生動物、ダニ類にも感染する
- 動物が感染しても無症状のことが多いが、妊娠していると死産や流産の原因になることがある。
- 人の場合は急性と慢性に分かれる。急性の場合は、2週間から4週間の潜伏期の後に39度前後の高熱が典型的。症状は個人差があるが、それ以外には、倦怠感、呼吸器障害や肝機能障害、リンパ節の腫れ、髄膜炎などがある。
まとめ
外で犬を飼うにしても、室内で犬を飼うにしてもメリット、デメリットはあります。犬がストレスにならないようにするにはどちらが良いのか考えながら飼い主さんの生活環境に合う飼い方をするとよいです。ご近所からの苦情で多いのは、犬の鳴き声、におい、被毛の飛散です。これらには、十分注意する必要があります。また、犬アレルギーや喘息を持っている人がいる場合は室内よりも外で犬を飼うのが好ましいです。室内で飼う場合は、トイプードルなど毛が抜けにくいと言われている犬種にするのもよいです。
外で飼われている犬は散歩を長くするなどコミュニケーションをとったり、最低限の指示は聞くように日頃からしつけをする時間を作るようにすると良いですよ。